無題

亀川千代の訃報をSNSで知り、しばし放心。療養中という話は何かで見たけど、ただただ驚いた。とりあえず、ゆらゆら帝国の過去のアルバムをいろいろ聴いたり、昔のインタビューなどを読んでみる。

ふと、自分が17,8歳くらいの時に出会った、Fというギタリストのことを思い出した。Fは確かその時で20代前半だったと思う。ノイズとかハードコアのバンドが出るライブで、たまたま知り合った。良き兄貴分のFに自分はかわいがってもらって……という話ではなく、ものすごくトガった人で、とにかく喋りづらかった。阿部薫やその時代の「アングラ」なミュージシャンを神として崇拝しており、会話していてクスリとも笑わず、こちらが何かバンドやミュージシャンの名前を出すと「YMO?坂本龍一?何が面白いの、ああいうの」「そもそも僕はテクノとか打ち込みを認めてないんで」「というか、70年代より後の音楽って基本的に聴かないんで」という調子で、ライブハウスってやっぱこういう人がいるんだな~とびっくりしたけど、後にも先にもここまでその世界に「入れ込んでる」人と出会ったのは、この時ぐらいだ。

結局、その人とは一回だけスタジオに入って(なんで入ったんだ?なぜか自分はその時ドラムを叩いたが、ひとしきり叩いた後「ドラムというものを初めて見た赤ん坊のように叩いてほしい」と言われ、もうあかんわと思い「赤ちゃんはドラム叩かないんじゃないですかね~」と返してその場は解散となった。今だったら「はいはい、赤ちゃんプレイね、いいですよよやりますよ、バブバブ、おっぱい、お小遣い、おっぱい、お小遣い」と機嫌よくリアクションできます、大人だから)その後全く絡むことはなかったが、自分がこの人のことをたまに思い出すのは、この人がその後亡くなったから。しかもその訃報を意外な人から聞いたのと、風の噂でその後のFはそこそこ「アングラ」な世界で認められつつあったらしいのもあり、何となくFのことは忘れなくなってる。なんかふわっとした感じの文章ですが、もったいぶって隠してる訳でもなくただ個人的な話で煩雑なので、このくらいの描写で許して下さい。とにかく、なんか強烈にトガってる人と一瞬だけ人生が交差して、その後知らない間に亡くなった、というだけの話です。

で、なんで亀川千代の訃報からFのことを思い出したかというと、先述のようにトガりまくった音楽センスをご披露してくれたFに、ゆらゆら帝国の名前を出すと「一番最近の『Sweet Spot』には一曲だけいいのが入ってる。あとは聴かなくていい」と言っていたからでした。その一曲っていうのが何なのか、『空洞です』は聴いたのか、とか、思わなくもない。あと坂本慎太郎のソロ……が世に出たしたころには、Fはもう亡くなってたと思う。Fを思い出しても別に当時のようにムカつきもしないし、かと言って「彼も悪い奴じゃなかったんだろうなあ、乾杯(チアー)」と寛容な気持ちになることもなく、ただただ「あいつって何だったんだろうなー」という気持ちで私は生きてる。

ベーシストとして、となるとやっぱり初期のこういう曲を選びたくなるけど、後期の「あえて抵抗しない」のベースとかもカッコいいしなー。合掌

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