ちなみに『The Record Covers』という本の中で、ECDの諸作のデザインに多く携わった石黒景太氏いわく『FINAL JUNKY』はThe Contortions『BUY』に影響を受けたとのこと。『自殺するよりマシ』のSuicideっぽさしかり、ECDのニューウェイブ/ポストパンクの影響をヒップホップに応用するセンスもまたタマラない所。
Adrian Sherwoodの初期の仕事をまとめたコンピレーション「Sherwood At The Controls Volume 1: 1979-1984」の1曲目に収録されていて、結構この手のニューウェイブ~ポストパンク編集盤だと定番の曲のようですが、知りませんでした。ノッティンガムのパンク・ファンクバンドMedium Mediumの2枚目のシングルで、バンドはこの後1枚のスタジオアルバムを出した後、サックス兼ボーカル、中心人物のJohn Rees Lewisが脱退し、83年には解散したとか。PV冒頭で手前でミキサーを触ってるのが若かりし日のシャーウッドでしょうか。彼の手によるイントロのサックスにかかるエコーだけで、これ一発だけとしても、エヴァーグリーンなバンドサウンドではないでしょうか。
毎年、正月は襟を正してこれとかSuicideを聴きます。途中でアンプに繋いでないのに気付いたようなオルガンにぐっとくるんですが、この曲が収録されたコンピレーション『No New York』の参加バンドらが、プロデューサーのBrian Enoについて「イーノは大して何もしていなかった」と揶揄されていたというのを知って、納得しました(まあ一方で、例えばMarsの曲ではギターのクリックにエコーをかけて、それをトリガーにトラック全体にコンプレッサーをかけて曲に独特な空間を味付けした……みたいな細かいテクニックは随所にあるらしいですが)
「Ge’ Down E.P.」という作品をHIHATTからリリースしました。HIHATTはプロデューサー/DJのtofubeatsさんが運営しているレーベルで、ハウス系アーティストの新人発掘+in the blue shirtやdj newtownなど関西のプロデューサーやトーフ氏と縁のあるアーティストがリリースしていて、今年の始めにはリミックスアルバム「HIHATT REMIXES」でも私のやってるバンド・ピクニックディスコもリミキサーとして参加させていただきまして、その流れもあって今回こういう作品が。
ジャケットは今年の2月にDJ Apacheという地元の先輩(写真最右)が主催したパーティでDJした時、遊びに来ていた緑さんという知人に撮ってもらった写真を使いました。アートワークだと胸のDef Jamにモザイクがかかってるのは、バラエティ番組で提供に行くとき何故か出演者の着てる服のロゴにぼかしが入ってる(スポンサーの兼ね合いとかの都合なんでしょうか?)状態が不穏で好きなので、あれを意識しました。L.A. Club Resourceっぽくて気に入ってます。