2/24 最近読んだ本

山田消児『短歌が人を騙すとき』
近年のSNS上の短歌ブームが前から気になってて、しかし歌そのものよりは歌に対する評論や分析の方に興味が向いてて、とりわけこの本は短歌の構造そのものに迫ってて面白かった。

俳句・川柳は季語が含まれるが、短歌は含まれない。それによって、俳句・川柳は作者の感情や思惑=「私性」があっても、それは風景なり草花なりに一旦「預けられて」表現されるけれど、短歌はもっとむき出しに「私性」が表現される。それ故に短歌は感傷的な自分語りに過ぎない作品が生み出されがちだとか、作者のキャラクター~プロフィールありきの鑑賞が前提化し過ぎてるといった問題がある……というような指摘が面白かった。

人は短歌を見る時に、書かれていることは「私(作者)」が実際に見聞きし、感じたことをそのまま書いている……ということを無意識に、しかし強烈に前提としながら見ているけど、実際には虚実入り交じった短歌というのは多数あり(兵士としての自身の戦争体験を作品にし、戦地で亡くなったことで知られる歌人の作品の内のいくつかが、まだ戦争に行く前の、戦争映画を観てそれをモチーフにして詠んだ作品が含まれていた、とか)そもそも歌の中に出てくる「私」は「『私』を演じている私」であって、元々フィクショナルな存在なのだ、という話は、自分が普段からラップや歌(短歌ではなく普通に音楽の)について考えていることにぴたっとはまって面白かった。伝統芸能や文学とヒップホップを並べて語るのはあんまり好きじゃない(そういう話をしてる人に対して、文学はともかく、ラップにそんなに興味もなければ聴いてもないんじゃない?と思う場面が多いので……)ですが。この話しだすと長くなるのでまた別の時で。

そもそも自分は歌であれラップであれ、その表現自体の「恥ずかしさ」を一度は自覚しながらも、それをやり続けているような作者の作品が好きなんだなーと改めて感じた。恥ずかしさ、違う言い方をするなら、矛盾といってもいいですが。どんなに「リアル」とか「自然」と言われても「作品として表現」してる時点で全然リアルでも自然でも無くなっちゃうポイントがどこかで出てきませんか?と……それも踏まえてやってる人と、そうでない人とでは、パッと見に同じような作品でも、何かしら決定的な違いがあるように思います。

野谷文昭(編)『20世紀ラテンアメリカ短篇選』
道籏泰三(編)『中上健次短編集』


小説って年々読まなくなってる。『ラテン~』の方は、ガルシア・マルケスなど有名な作家からより現代的な作家まで網羅的に紹介されていて面白い。作品ごとに作家のプロフィールも紹介されていて、その作家のラテン文学史における位置づけもわかった上で読めるのが便利だが、ある作家の紹介に『マジックリアリズムの作家としても知られるが、本人はそれを商業的なレッテルでしかないとし、認めていない』という一文があり、渋谷系全盛期の時代にオリジナル・ラブのライブで田島貴男が「俺は渋谷系じゃない!」と叫んだという逸話みたいなことが、マジックリアリズム界隈(?)でも起こるんだと思った。

一番「渋谷系」のレッテルから離れようとしていた時期のオリジナル・ラブ。タブラ、ターンテーブル、ドラムンベース…


収録作の中でもベネディッティ『醜い二人の夜』という作品が非常に良かった。それぞれ顔に大きなキズ、火傷を負った若い男女が映画館で出会って……という本当に短い話で、大したことはまったく起こらないんだけど、印象的な終わり方だった。似たようなコンプレックスのある者同士が出会って何かが変わる、という所がぐっとくる。

で、何となく『ラテン~』と続けて読んだら面白いかなと思って選んだ中上健次の方は「十九歳の地図」「ラプラタ」などを含む10編。「蛇淫」の『冷たい熱帯魚』みたいな始まりが面白かった。「十九歳の地図」の徹底的にみっともない、始まる前から何もかも終わってる青春という感じにしみじみと、ああ自分もこういう10代だっ……た……ということもなく、というか年々10代のころ何考えてたかとか思い出せなくなってる。その頃聴いていた音楽や読んでいた本を読んで「何考えてこんなもん見てたんだろう」とよく思う。

マリコ・タマキ / ローズマリー・ヴァレロ・オコーネル『ローラ・ディーンにふりまわされてる』
これは漫画、正確にはグラフィック・ノベル。実写映画化決定~というニュースとともに、作品の存在を知り、タイミングよく手に取ることが出来たので読んだ。全編を通してグレースケールとピンクで構成された色味も美しい。

キャラクターの活き活きした造形が素晴らしいけど、それと同じくらいちょっとした植物や小物類、背景の描き方が素晴らしい。端から見ると虚像のように空っぽに見えるローラ・ディーンに対して、主人公を取り巻く世界の方がよっぽど多彩で豊かに見えるのだけど、そういう対比なんだろうか。恋をすると世界の方が変わって見える、みたいなことなんでしょうか。でもそのローラ・ディーンが最後の最後でああいう表情になる所が良かった。主人公が同性愛者であることが当たり前のように物語が始まりながら、サブエピソード的に物語の途上に出てくる、主人公の友人達に起こる様々なトラブルの描写によって、それ(同性愛者)がまだ当たり前の社会ではないということが「途中」から描かれるのが面白かった。

涼宮ハルヒの話、情報ラーメンの話、南米インディーの話

2月◯日
「涼宮ハルヒ20周年!」という広告を見て、アニメの放映当時、2ちゃんねるか何かで『朝比奈みくる、セフレにしたいアニメキャラNo.1!!』というスレが立っていたんだけど、2レス目が「どうせお前ら朝比奈みくるが相手だったら本気になっちゃうくせに」と書いてあって、めちゃくちゃ笑ったことがある。『ハルヒ』のストーリーはもうぼんやりとしか覚えていないけど、その書き込みはおそらくここから20年後でも覚えてると思う。多分スレッドを立てた奴もそれに書き込んだ奴もそんなこと覚えてないだろう。
最近はおたくの人の間では(そもそも最近はもう「おたくの人」みたいな感覚も相当薄まっているのだろう)アイドルとかアニメの可愛い子を見て「尊い」とか「エッッッ」と言うらしいけど、昔は「萌え~」って言ってたんですよね。Y2Kリバイバルみたいな話もあるけど「萌え~」はもう完全に聞かなくなったし、リバイバルもされないですよね。でも「萌え~」っていう響きが面白いなあと思って、今後言っていこうかなと思ってます。ちいかわ、萌え~。トーフビーツ、萌え~。ハーゲンダッツクリスピーサンド、萌え~。ディスクの鏡面がむき出しになってるタイプのジャケットデザインのCD、萌え~。何か自分が言ってると普通に「こういうおじさん」みたいになりそうで怖いかも。リバイバルというのは基本的に「一周目」の若者の特権なんで、二週目以降の人が「おっ、こういうのがまた来てるんだ。じゃあ……」と押入れの奥からゴソゴソ何か出してきた感じが目も当てられない状況、というのをよく見かけます。

2月16日
最近友達になったAくん(少年A的なやつでなく普通にイニシャルです)とラーメン屋へ。Aくんは東京の某ライブハウスで働いてたこともあり音楽にも詳しいけど、ラーメンにもうるさい男。ラーメン好きが高じて二郎でバイトしていたこともあるらしい。初めてのラーメン屋に行くと、メニューがどうとか麺がどうとかの前にまず、注文してから麺がゆであがるまでの時間を測ったり、厨房の収納スペースの工夫などを見たりするのがとにかくたまらなく楽しいらしい。
新しいラーメン屋が出来たらやっぱりオープンしてすぐ食べに行くの?と聞くと「いや、◯◯のサイトとか見て、まず店主の名前とか調べて、ああ□□家で修行してた人か。じゃあ行く価値ないな、とか判断しますね」とのこと。『ラーメン発見伝』という漫画で、主人公のライバルのラーメン業界人が「客はラーメンを食ってるんじゃない、情報を食ってるんだ」と、実際の味ではなく結局ラーメン評論家やブームの影響で店の評価は変わる、ということを喝破するシーンがネットでも有名ですが(「ラーメン発見伝 情報」で検索して下さい)「まさにあれですね。ほんと情報を食ってるんです」とのこと。最終的にこの日も「ここの情報うまいっすね」と、「ラーメン」を完全に「情報」と呼んでいた。まあでも自分もこと音楽となるとわりとそういう感じだなとも思った。ところで先述の『ラーメン発見伝』の「ラーメンじゃなく情報を食ってるんだ」というのは、そういう「情報を食ってる」人たちへの批判として引用される場面がほとんどだと思うが、別に1年365日毎日の3食のうち、たまに「情報」食ったって別に良くない?と思う。ネットで拾った漫画のひとコマをネットに貼って何か言った気になる暇があったら、今すぐ家族友達恋人と「情報」を食べに行け!きっとその「情報」はいつの日か「思い出」になることでしょう……。

2/某

DSPEというチリのアーティスト?めちゃめちゃいいと思うけどあんまり再生されていない。南米インディー調べると面白い曲ぼんぼん出てくるからやっぱり面白い。

TELESCOPIOSはアルゼンチンの4人組のバンド。ビデオもかっこいい。歌声にどことなくサイケ感もあっていい……
これはインディーじゃなくプロのスタジオミュージシャンとしてバリバリ長年やってるベテランのパーカッショニストですが。キップ・ハンラハンとルイ・ヴェガ両方のネットワークで仕事してる人っているのかな?と思って調べて出てきた。キップの現時点での最新作『Crescent Moon Waning』にも参加しているパーカッショニストの、ルイ・ヴェガプロデュースによるアルバム『Percussion Madness』アシッドジャズ風の雰囲気もあっていいです。

2/10 自営業者のブルーズはいたる所に転がっている

2/某
ミュージシャンとしてプロモーション的にSNSでもっとPRしていくべきかどうか?自分で自分を売り込むのって恥ずかしくない?というような相談を人にされて「そりゃやらないよりはやった方がいいんじゃない、もう既に有名でチームで動いてるような人ならともかく、今よりもっと聴いて欲しいと思ったら自分自身でやるべきだし、細かくPRしても、意外と人は全然見てなかったりするし、宣伝やり過ぎかなって自分で思うくらいでちょうどいいんじゃない、まあ自分はそういうの苦手だけど」というような返答をし、喋ってる内にかなり場がヒートアップした。曖昧に時が流れ、その後、県道沿いの飲食店に入ると、会計時に50がらみの店主から「スタンプカード作られますか?いらない?あっ、じゃあお連れ様のカードにもその分スタンプを押しておきますね。当店のスタンプカードは1000円ごとに◯◯で◯◯というシステムになってるんです。是非ご利用ください。それから当店ではですね、バースデー企画というのも対応しておりまして、一週間以内に誕生日の方がいるお客様限定ですが、◯◯のアイスケーキや□□のデザートなどを提供しております。それからBGMもアンジェラアキやドリカムなどにすることもできますし、フラッシュモブ的なサプライズ演出も承っております。といってもイメージしづらいと思うんで、その動画があるんですが、よかったらご覧になりませんか?」とグイグイ来られて、あうっ……と胸を詰まらせることしかできなかった。やはりアピールというのもやり過ぎはあるなと思った。いやでもあれくらいの売り込みがやっぱり大事なのかな。それか凄いインフルエンサーと思われたのかも知れない(どこを見て?)。いずれにせよ自営業者のブルーズはいたる所に転がっているのだと実感した。料理自体は良かった。

2/某
Canのボーカルとして有名なダモ鈴木の訃報。もう10年くらい昔だと思うけど、ダモ氏が出演するイベントが高松で企画された(堀地さんの企画だったはず)。自分も地元のバンドの一部として参加する予定だったものの、当日になって家族が暴れて家がめちゃくちゃになり(私はよくめちゃくちゃになる家で育ち、めちゃくちゃな今に至る。めちゃくちゃな家はもう存在しない。めちゃくちゃなものはいずれ破綻するので)申し訳なくも直前で出演を辞退したのでした。深夜、めちゃくちゃの後始末をしていると電話があり、出ると「ふっふっふ、ダモ鈴木です」堀地さんか出演者かはわからないけど誰かしらが気を遣って、私とダモ氏が喋れるよう電話を取り次いでくれたのであろう。私は当時、若いのにマニアックな音楽にやたら詳しいということで、そういうおじさん達に可愛がられていたので。そして今、私自身が、マニアックな音楽にやたら詳しい若者と出会った時には、無視するかバカにして過ごしています。電話の向こうは打ち上げ真っ最中で盛り上がってるようで、ダモ氏「何で来なかったの~?すごいライブだったのにね~もう観れる機会ないよ~ふっふっふ」も快活なトーク。しかしその時疲れ切っていた私はまともな受け答えもせず、はあ……とかあやふやな返事をしていた気がする。ダモさんあの時はすいませんでした。あの時はろくに言えませんでしたが、今ならハッキリと「ミカバンドの時の高橋幸宏とケンカしたって話ホントなんですか?」と聞きますね。RIP

「このタイトル、ムーンライダーズの曲名orBL漫画クイズ」に使えそうな曲

バキバキDTチャンネルでも自分が特に好きな企画が「このタイトルB’zの曲名 or BL漫画クイズ」で、読んで字の如く、出題されたタイトルがB’zの曲名なのかBL漫画のタイトルなのかを当てる企画。B’zの歌詞/曲の、ワイルドかつちょっとバカバカしく、セクシャルな内容も多い所が、BL漫画のセンスと通ずるものがあるからこそ成り立つクイズでしょう。「ワルイコトシタイ」というタイトルを聞いて、これをB’zが歌ってるとしたら?という想定でB’zっぽい節回しでぐんぴぃが歌い出すくだりが、めちゃくちゃ岡村靖幸っぽいのも笑える。

昔から、ちょっとマニアックなJ-Popの曲名で検索して、BL同人誌の書名がヒットすると、何とも言えない良さがあって好きだ。中谷美紀とかキリンジとかの曲名で。逆に、普通に曲を聴いてても「この曲名をBLのタイトルに使う人いるだろうな」と考えたりもする。別にそんなにBL読んでる訳でもないんですが。

何でそれ(曲名をBLのタイトルにしてる)が好きか考えたんですが、それが選曲行為であり、そこに解釈があるという所にぐっとくるんだと思う。それを描いてる人は、自分で聴いて自分の意思で「これって◯◯の関係の歌じゃない?」と考えるに至った経緯がある訳で、その能動的な聴き方の痕跡として作品(同人誌)があるという。

ということで、ムーンライダーズの曲名の中でBL漫画のタイトルっぽい曲を挙げていきます。別に他のバンドでもいいんですが、ライダーズのキャリアの長さ=曲の多さ、あと最近、何度目かの自分の中でのリバイバルが来ているという理由から。

「恋人が眠ったあとに唄う歌」
「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」
「幸せの洪水の前で」
これは日常系ですね。ムーンライダーズってよく言われるように初期はデカダンというか虚構的なロマンスを歌った作風が多かった(映画から曲名を取ってたり)のですが、90年代以降のアルバムは、中年期を迎えたメンバー自身らの人生観に根ざした曲が増えて、この「日常系」なタイトルも全部90年代のものですね。


「ダイナマイトとクールガイ」
「アイスなぼくとアイアンなきみ」
「I hate you and I love you」
このへんはバディものにいいんじゃないでしょうか。「i hate you…」とかシンプルながらいいですね。ところで「ダイナマイトとクールガイ」ってちょっと「今夜はブギーバッグ」に似てませんか?



「僕は幸せだった」
「いとこ同士」
「永遠のEntrance」
「物は壊れる、人は死ぬ、3つ数えて目をつぶれ」
この辺りは、破滅の匂いというか、バッドエンドの予感が漂ってますね。「永遠のEntrance」はかしぶち哲郎(土岡哲朗。じゃないですよ。それはぐんぴぃの相方)作詞作曲この記事でリストアップする前は、かしぶち哲郎の曲がもっと入ると思ったんですが、挙げていくと「これぞ!」というBLっぽいものは意外となかった。「S.E.X.(個人調査)」とかあるけど、ちょっと直球過ぎるかと思って外しました。



「服を脱いで、僕のために」
「マスカット ココナッツ バナナ メロン」
「幸せな野獣」
「夏の日のオーガズム」
まあこの辺は見ての通りですね。ここまでいろんな曲名を出しましたが、一番”ぽい”のは「幸せな野獣」ではないでしょうか。「◯◯◯◯して、僕のために」は構文のように使っていきたいですね。確定申告して、僕のために。

では次回は”「このタイトル、ポルノグラフィティの曲名 or BL漫画クイズ」に使えそうな曲”の更新をお楽しみ下さい。



1/27 ただ自分が若者から嫌われたくないというだけの、もう若くない人

深夜、イベントの終わり、静かなバーで一服してから帰ろうと、店の扉を開けた。座ってから気付いたけど、いつもよりかなり騒がしい。というのも、自分の隣のボックス席で、若い男女らが、ひたすらワイワイ騒いでいる。嫌でも会話が耳に入ってくるんだけど「30までに結婚したい、28,9でデキ婚でもいい!ま、最悪32,3でもいいけど…」「そうやって伸ばしてると一生売れ残るで!笑」「医療系の女って自立し過ぎてるから逆に結婚できないんだよ」みたいな話を延々としていて、かなり削られる。この若者らにうんざりし、Z世代は何ごとにもフラットで新しい価値観を持っていて〜みたいな話ってやっぱりテキトーだよなーとうんざりし(この手の話をしているのは、ただ自分が若者から嫌われたくないというだけの、もう若くない人だと思う)若者にイラつくのは自分が若いから。ああ早く老成したい。もっといいのは生まれ来ぬ事。あらゆる中途半端の完成形である所の男の30代。と自分自身にうんざりしながら、夜は更ける。

が、集団の帰り際、その輪の中でも特に騒いでいた男が、なぜか急に『オー・シャンゼリゼ』のメロディで「オ〜 ヘパリーゼ♫」と歌い出した瞬間、すべてを許しました。おもろすぎる。やはりZ世代は素晴らしいですね。この令和暗黒時代も彼らの新しい価値観が何とかしてくれるでしょう。あと女の子が「○○○(某マイナーリーグ)の選手と一瞬だけ付き合ったけど、冷蔵庫に半額の惣菜が入ってて一瞬で冷めた!これって蛙化現象?」と言ってたのもかなり面白かった。やはり世代の違う人との交流は大事ですね。例えそれが盗み聞きでも。
(追記)
これ普通にヘパリーゼのCMでそういうのがあったんですね。がっかりしました。やはりZ世代を最後に人類は消滅すると思います。地球最後の日には、仲間と集い、うまいものを食べながら、EZ DO DANCEを聴いて死にましょう(高見盛の理想の死に方)。

NYのギタリストでシンガーでもあるBrandon Ross、キップ・ハンラハンやミッシェル・ンデゲチェロの諸作にも参加している才人で、その2006年作。出だし、一音目から、素晴らしすぎて涙が出る……何時に聴いても深夜の空気になる。CDのみ(日本のレーベルから出てる)、配信なし。

1/22 キップ・ハンラハンとバキバキDTチャンネルの話しかしない男

1/某
年始から体調崩したりで日記完全にサボっておりました!反省。図書館へ。去年の後半はあまり本読まなかったので、今年はなるべく読みたい。
アンジェラ・アッカーマンほか『トラウマ類語辞典』
小谷野敦『もてない男』
小谷野敦『文豪の女遍歴』
ジャック・アタリ『ノイズ』
上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』
平井玄『愛と悲しみの新宿』など。
『トラウマ類語辞典』はバキ童ごとぐんぴぃの読書リストの中に挙がってて気になったので。『もてない男』は比較文学が専門の著者による、古典文学や漫画の中に見る非モテ、もとい現在で言う「弱者男性」論の話と言っていいんでしょうか。もう一冊はタイトルの通り。ぐんぴぃのリストには小谷野敦の本はなかったけど、絶対読んでるんじゃないだろうか?と思い再読。平井玄は日本におけるキップ・ハンラハンの紹介者ということもあり、最近ちゃんと読んでみようと思ったので。

富裕層向け高級カレー専門店CoCo壱へ。チキンカツカレー、揚げナスハーフ、うま辛ニンニク。

1/某
Luxで呑んでいると、たまたま『バンドやめようぜ!』の著者であるイアン・F・マーティン氏に居合わせた。高松にバンドを観に来ていたらしい。数年前にもすれ違う程度に挨拶したことがあったけど、この日初めて長めに喋った。あなたも文章を書いているんですか?何に書いていますか?と聞かれ「ミュージック・マガジンとか……」と答えると、それは音楽の雑誌という意味ですか?それとも(指で ” ” のジェスチャー)こうですか?と言われ、おかしかった。

東京だけでなく、地方のバンド・シーンも自ら足を運んでつぶさに観ているイアン氏の話は面白かった。印象的だったのは、香川でカッコいいアーティストはいますか?と聞かれ、いなくはないけどYouTubeとかBandcampとかネットで今すぐ聴ける人は少ないかも……と言うと「(音源がネットになくても)それでいいです、実際にライブハウスに行って聴けばいいんですから」というようなことを言っていて、結構ハッとした。まあ、と言いつつ、自分はもっと音源作っていかないとなんですが……。

1/某
昨年から引き続きキップ・ハンラハンと彼のレーベルであるアメリカン・クラーヴェのCDを集めています。周囲の会う人会う人に、キップ・ハンラハンとバキバキDTチャンネルの話しかしない男として、戸惑わせています。

キップ~アメリカン・クラーヴェのCDを集めているのは、内容が素晴らしいのは前提として、ストリーミングにもダウンロード販売も一部しかなく、また国内盤でライナーや歌詞の和訳が読みたい(やたら「私が他の男と寝たことをあなたに告げた時…」とか「宇宙で引力よりも強い力 それは嫉妬」とかNTRの歌詞が多いのが面白い)というのもありますが、何よりジャケットがカッコいい……手元に置いてしみじみ眺めたり飾りたいジャケットばかり。

「顔」のアップのジャケットは、昔のものでも古くならない……という法則が昔からあると思ってて(PiLのファースト、エイフェックス・ツイン、INU『メシ食うな!』キリンジ『3』などなど…)アメリカン・クラーヴェの作品は「顔」率が高いから、どれもイイのかも知れない。

でもその中でも特にシビれるのがライブ盤の『All Roads Are Made of The Flesh』と87年作の『Days And Nights Of Blue Luck Inverted(未聴)』シビれる……All Roads~の方を見てると、ギャルが写真に写る時、下にうつむくのが流行っていた時代を思い出す。「自撮り」がまだ恥ずかしいものと思われていた時代のムードが蘇りますな。

顔ジャケットではないけどこれもカッコいい、というかタイトルもカッコ良すぎるんだけど、Alfredo Triff『21 Broken Melodies At Once』アメリカン・クラーヴェ諸作で常連のヴァイオリニストによるソロ作、ネットのどこでも聴けない(YouTubeに一曲だけアップされてる)しCDも入手困難……Discogsで海外から買うしかないのだろうか。欲しい、欲しい、欲しいと強く念ずる。

10代の、音楽を聴き始めた頃に、いい音楽を聴いて、ただただ「良すぎて」泣いていた時期があり、キップ・ハンラハンを聴いていると何かそういう頃の気持ちを思い出す。別に他にもいい音楽はいろいろあるのですが、強制的にノスタルジーに浸らせる作用がキップ・ハンラハンだけにある……流石に今は泣きはしませんが。泣いたほうがいいんでしょうか?

12/30 パッと見ハードコア

12/某
カセットテープが届く。インディーなクリエイターのカセット制作の御用達はCASSETTE EXPRESSとCORNER PRINTINGの二強ですが(というかこの二社くらいしか知らない。知ってる人いたら教えて下さい)今回はCORNER PRINTINGさんにお願い。年末にも関わらず一ヶ月もかからず完成・納品。年始からはどんどんこれをPRしていきます。

12/某
クリスマスでも空いてる飲食店となるとラーメンくらいしかねーということでクリスマスラーメンを決行。ラーメン屋のBGMがコールドプレイのViva La Vidaで謎に煽られてるけど、食べて帰って寝るだけ。

ふと『戦場のメリークリスマス』を聴きたくなって、サントラを聴く。テレビや追悼企画で流れるものはピアノのバージョンが多いけど、この曲はサントラに入ってる原曲の方がずっと印象が強いというか、あのクリスタルボウルのような音(グラスハープのサンプリングで、なおかつ低音パートだけチューニングがズラされてるらしい)で奏でられる、喜怒哀楽のどれでもない謎の感情が異常に高まってるようなあのアレンジが一番ぐっとくる。

映画の『戦メリ』自体がそういう内容だよなーと思う。エンディングのたけしの笑顔しかり、泣いていいのか笑っていいのか、ぐちゃぐちゃの心がそのまま映像になってるような。だから人にストーリーを説明しづらいのだろうか。自分が一番好きなシーンは、ボウイが死の間際に見る幻の中で、かつて自分が見捨てた弟と再会し、弟にそのことを赦してもらうシーン。もちろんそれはボウイの頭の中だけの出来事な訳ですが、それも込みで、あのシーンは喰らう。『戦メリ』は10年くらい前と昨年夏の4K再上映とで二回観てるんですが、最初に観た時はそのシーンで何とも思わなかったのに、二回目はスクリーンを直視できないほど胸がいっぱいになってしまった。

12/某
食品まつりさんがLuxでライブ。DJで参加。キップ・ハンラハン関連でパーカッション強めのやつと、トライバル系のハウスやニューエイジっぽいものなどを混ぜて選曲。Cueボタン連打とループでどんどんパーカッションを混ぜてくのが楽しかった。あとハットリさんが「これジャック・ブルース?」「ユッスー・ンドゥールが歌ってる?」とか的確に曲についてツッコんできて面白かった。やしまーるでのイベントで見逃したioriのパフォーマンスも、思ってた以上に鍵盤奏者としてのプレイヤビリティーの強いパフォーマンスで面白かった。

久しぶり(と言っても去年もRDCのちどり公園のレイヴなどで観てるけど)に観る食まつさんのライブだけど、今回はアンビエント・セットらしい。機材はラップトップとMIDIキーボード、SP-404mk2、マイクとAIRA E-4というラインナップ。Liveのランダム性の強いエフェクトを使って、アンビエントと言いつつもリズミックな展開、そこにE-4による声のループが重なって……という内容。一時間近いライブでもダレることなく、言葉がわからない(からストーリーがわからない)ヨーロッパのアート系のアニメ映画を観ているみたいな感じで面白い。

イベント終了後、食まつさんと軌跡というラーメン屋(ちなみに食まつさんはkisekiというユニットをやってる)に行き解散。30代からの音楽家人生……みたいなアツイ話も出来て良かった。

12/某
食まつさんが翌日は兵庫・加西のtobira records/Voidでの忘年会的イベントに出演ということで、しかもUG Noodleさんやind_frisさん、香川からtaishijiなども参加するイベントということで、以前から行きたかったvoidなので是非にと同行。

高松から加西までは2時間半ほど?しゅうくんの運転で移動。車内でも食まつさんといろいろ喋って面白かった。昼2時半くらいに到着、残念ながらtaishijiのパフォーマンスは観れなかったものの、他にも高松から参加してる知人らもおり、和やかなムード。

ind_frisさんはMPC LIVE 2とoctatrackを中心としたセットで(最近海外でもMPC LIVEを中心としたマシーンライブのセットが増えてる気がする)Pal Joey風、バレアリック風、更にはギターもその場で弾くパフォーマンスなど、バラエティある内容。昨年の名古屋でのHIHATTイベントで観た時はもっとソリッドな印象だったが、今回はどこか和やかな空気で、イベントの雰囲気にも合っていた。

あと以前から気になっていたKK mangaも観れた。2ドラム+ヴォーカル+アシッドシンセという、発明のようにフレッシュな編成。パッと見ハードコアっぽいけど、もっと別の所からヌッと現れたような音楽で最高。

イベントの最後はUG Noodleさん、今回は「楽団」を引き連れてのセットということで、グロッケンやサックスの方もいて賑やか、フィナーレを飾るのに素晴らしい演奏。

兵庫から香川に戻ってきて、そのまま帰宅しようと思ったが、丸亀でアパッチ~SSS軍団周りと朝まで呑む。ヘトヘトであまり記憶なし。

「騒(がや)~さざんかの章」というイベントをやりました

久しぶりにオールナイトのDJパーティを自分で企画して行いました。「騒」と書いて「がや」と読むイベントです。

もともと自分は2010年代=20代の間に出るイベントの内、半分くらいはノイズ喫茶iL=浜吉さんの企画するイベントで、それさえ出とけば音楽的にもやり甲斐的にも満足だったのですが、浜吉さんが2020年の初めには店を閉じたので、じゃあ自分で企画するか~と思ってた矢先、コロナの時代へ突入したのでした。で、ようやく2022年末から、ちょこちょこイベントの企画をやって、最初がCHIYORI×YAMAANの二人を呼んでの企画、次が今年初夏のK-POPイベント(この二つもその内備忘録的にブログにまとめます)、で、今回の「騒」です。このフライヤーのデザイン相当気に入ってます↓↓↓。

自分が考える理想のパーティって何だろうなと思った時、原初的なイメージとして一つあるのは『墓場鬼太郎』に出てくる「深大寺の妖怪すき焼きパーティ」だなと思って、あの怪しい雰囲気「ガヤガヤしたムード」を念頭に置いて「騒(がや)」という名前にした。「お笑い用語のガヤ=個性の追求よりも”その他大勢”その場の頭数になる快感」「フランス語で”楽しい”のgaya」と言った理由も後付けにした。このダジャレや思いつきに後からもっともらしく後付けしていくのは自分の中で浜吉マナーとして入ってる。

怪しい雰囲気にしたいのでとにかくフロアは暗く、理想は大阪のCOMPFUNKくらい(昨年秋にCHIYORIさんのライブをここで初めて観たけど、ライブになったらちょっと明るくなるのかなーと思ったらずっと真っ暗で、またCHIYORIさんの歌が安定してめちゃくちゃ上手いので、ライブでなく音源が流れてるのかと思った……というのはちょっと大げさ)暗く……特に自分がDJやってる時に思うけど、クラブとか踊るイベントは暗ければ暗いほどいいというか、ありがたい。で、会場の廊下や入り口も電灯を全部赤い電球に取り替えた。写真が全て赤いのもそれです。なんで赤いんですかと聞かれたけど、赤黒ってカッコいいじゃんとしか答えようがない。DJはアパッチ、ymhr、ライブ枠で”いまさら”。地元アクトのみゲストなし。

最初のDJはymhr。シンゲリやブレイクコア、ゴルジェ、ハードな速いテクノなど。渋谷系やJ-CLUB(としか言いようがないジャンル。2000年代のTSUTAYAにそういう仕切りがあって、FPMや小西康陽などが並んでいた)のセットで45分、みたいなDJもいいけどガッツリとダンスミュージックだけで1時間以上でやって欲しいと思ってお願いしたけど、まさにその感じで良かった。アニメ『墓場鬼太郎』の劇中歌の『有楽町で溶けましょう』のリミックスをリハからずっとかけてて『ゲ謎』でも観たのかなとか思ってたけど、よく考えたら事前に伝えていた↑↑↑のイメージを遂行しようとしてくれてたのかも知れない。だとしたらありがとう。

その後しゅうくんとカンタくんのバンド”いまさら”30分。ベースとボイス・パーカッションによるシンプルな編成のバンド。夏に一回だけライブ観た時、凄く良かったので、TOONICEの新スピーカーでなおかつ深夜に観てみたいと思ったのでお願いした。イベントの空気感にも合っていて凄く良かったし、初めて観た人からも好反応で良かった。自分の友達がやってることが別の友達にウケてる、そしてその場を作る喜びだけが、面倒くさくてもイベントをやろうというモチベーションになる。音源出して欲しい。

その後アパッチ。ニュースクール(って今どの辺りを指すのか人によってかなり違いそうで不安ですが)を原点としながらも新譜旧譜織り交ぜてプレイするのがアパッチのスタイルですが、近年サラッとダーティサウス~トラップ~バウンスっぽいものもかける感じがいいなーと思ってて、それだけで長めにやりませんか?というリクエストでやってもらった。結果、4つ打ちっぽいものも織り交ぜてて、この日だけの独特なセットになってて面白かった。LONELY NIGHT~夢で逢えたらのドリル・エディット?みたいな流れで盛り上がってたのが印象的だった。

最後は自分。リハでは4つ打ち~ブレイクビーツっぽい感じでいこうと思ってたけど、前のアパッチの流れからトラップR&BっぽいものやK-Hiphopや日本語ラップなど、深夜っぽいノリでかける……というか割といつもの感じ。イベント企画した当初は最近ハマってるキップ・ハンラハンのボコボコパーカッションが鳴ってるだけのトラック↑とか流すぞ~と思ってたけど、実際にやりだすとやっぱり手癖っぽい選曲になっていく。最後はワインでグラグラに酔ってるymhrが乱入してきてB2Bっぽい感じになって〆。書いてなかったけどイベントにはワイン屋もあったんです。はるか君ありがとう。

クリスマス前週の土曜、ということはその翌々週はもう大晦日なので、年内最後の普通の土日。というタイミングでしかもめちゃくちゃ寒い日にも関わらず、いろんな人が来てくれてめちゃくちゃ嬉しかった。皆さんありがとうございます。またやるかも。

12/20 俺たちってこんなもんなの?

12/某

自分が主催するDJイベントの当日。深夜~朝にかけてガッツリDJ中心で、というの何気に初めてやったかも知れない。かなり面白かった。これはいずれまた別の記事で書きます。

12/某

最近は休みの日はとにかく掃除してる。またいらない本とCD・レコード類大処分。YOMSに本30冊くらい、ROOTSにCD50枚くらい持っていく。査定を待つ間に何の気無しに本屋に入ったら、大量の千円札をマジシャンがトランプを繰るようにシャッフルしている男性がおり、びっくりした。あれが異次元の金融政策の正体かも知れない。また、自販機でジュースを買って飲んでいると、電柱に「男性募集 リッチ女性のサポート👗」のポスターが貼ってあったので何気なく見ていると、電話番号の所に小さく「インボイス対応済み!」と書いてあるのを見た。この国ってもうかなりヤバイんだなと思った。

12/某

掃除していたら、自分の父親が生前書いていたメモ帳みたいなノートが出てきた。何気なく見ていると「わしの ツイッター」と題されたページがあって(実際のツイッターは多分登録もせず人のを見るだけだったと思う)思いついた一言を箇条書きにしてるんだけど、その内容が「人の顔色ばかり伺うヤツ。じまん話とうわさ話しかできないヤツ。数字でしか人を見ないヤツ。その生き方で満足かい?」などと書いてあり、めちゃくちゃおじさんじゃんと思った。

でもツイッターはもちろんだけどスレッズも早くも崩壊のにほひがしてきたので、自分もそろそろ「わしの ツイッター」に移行しようかな。ヘンリー・ダーガーみたいに自分の死後床下や倉庫から大量の「わしの ツイッター」が発見されたら、恥ずかしいだろうな。アウトサイダー・ツイートの巨匠。

12/某

イベントの手伝いなどのお礼として、アパッチに焼肉を奢ってもらう。バイキング形式で上から2番目に高いコースを選んだのに、ウィンナーと白飯ばかり注文しているアパッチがおかしかった。自分とアパッチ二人の話題はもう、この数年何十回同じ話をしてるかわからないようなDJ論、SNS論、イベント論、ヒップホップ論、左翼論、先輩後輩上下関係論をひたすら互いへの称賛と共通の知り合いの悪口とで繋ぎ合わせた内容になる。

「小鉄くんもアパッチくんも考えすぎっしょ、もっとtake it easyで良くない?」的なことを周りのネイヴァーフッズに何度言われても、自分たちは延々とあらゆる愚痴と批判を喋り続ける。でもそれは「俺たちってこんなもんなの?」即ち「まだもっともっとやれるはずでしょ?」というパッションの裏返しだと思ってる。とんでもない野望を抱いてる訳でもないけど、少なくとも去年・先月・昨日の自分よりはちょっとでも良くなりたいという気持ちが常にあるからこそぼやく訳で……という大義名分があれば、ハラミが焦げるのを横目に悪口もますますヒートアップしていく訳です。

12/15 AIは脅威だよねぇ~



【宣伝の時間】

タワーレコードが運営するメディアサイトMikikiにて、SPANK HAPPY配信スタートを記念した記事にコメント(と言うには長すぎる何か)を書いてます。SPANK HAPPY思い入れ深い音楽の一つなんで嬉しいです、是非読んでみて下さい。姫乃たまさんやアーバンギャルドのお二人を始め、曲者揃いなメンツの中に混じってて面白いです。

SPANK HAPPYと“普通の恋”に人生を狂わされて――アーバンギャルドら7人が第二期(菊地成孔&岩澤瞳)サブスク解禁に寄せて綴る
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/36082

それとこちらの仕事も。ポニーキャニオン所属の覆面アーティストThe Burning Deadwoodsの新曲”Jellyfish feat.maco marets”のリリックビデオを制作しました。キュートなキャラクターたちの絵はイラストレーターのanさんの作画。レイヤー分けされた一枚絵を細かく動かして映像にしてくっていう、さとうもかさんとかの時と同じ手法ですね。オシャレでいい感じだと思うので是非観ていただければ。

あと年明けは更にナゾな面白さある仕事が発表される予定なので、何とぞ是非。

【宣伝終わり】






12/某

深夜急に思い立って部屋の整理。衣類とダンボールをどんどん捨てる。動かない機材、細かいパーツ類、なども破砕ゴミとしてまとめる。使ってない機材を化粧箱にしまいこんですぐ売れるようにする。本・マンガ20冊、CD50枚、レコード40枚くらい売る用に仕分ける。WAX GATE⇒YOMS⇒ROOTS RECORDと3店回って売りまくる。でもまだまだ売りたいor捨てたい……。

CDなんてそれこそデータであればいいじゃん?と思うものの、昨今の中古CD事情など見ると、やっぱり手元に置いておきたいという気持ちもある。特に90~2000年代のCDなんかはパッケージも凝ってたりして魅力的。キップ・ハンラハンのSACDリイシューとか、ライナーのインタビューの読み応え最高。まあ気合いがあれば歌詞カードとかも全部スキャンしてデジタル化すればいいんでしょうけど。

本や漫画も、処分に困るのは「これ一回手放したら、買えなくもないけど、手に入りづらいよな~」というライン……っていうかそういうラインのものばかり手元にある。蛭子能収とか花くまゆうさくとか、80年代以降のガロ系作家とかね。電子書籍にもなりにくそうな。あと水木しげる関係はボロボロになっても一冊も捨てずにやってきてる(鬼太郎夜話のボックスセットみたいなやつはどうしてもお金に困った20代半ばに売ってしまいましたが)けどマニアックな短編集とかはともかく『ゲゲゲの鬼太郎』はもう売ってもいいんじゃない?読もうと思えば多分いつでも読めるし……いやどうかな……などと悩み始めると掃除は一向に進まない。

12/某

歌詞を入力するだけで歌が出来るというSuno AIで遊ぶ。確かにこれはすごい。そのまま使うのはともかく、適当に歌わせてここからサンプリングしたり、メロディーを作る時の叩き台とかで使えそう。でも普通にそのままシレッとリリースしても面白いだろうな。

しかしこういうAIのあれこれを触ってると、先日初めて入ったバーで、隣にいた50前後くらいのサラリーマンっぽいおじさんが急に「うーん、この店はやっぱりクリエイター系の人が多いんだねえ。ママがまずセンスあるからなぁ!」などとと言い出し、私が文章書いたり何やかやしてる人間だと知ると「ああ、やっぱり君もクリエイティブな人なんだね。じゃあやっぱり、今一番気になるのはアレでしょ?そう、AI!AIは脅威だよねぇ~」と言われ、何とも曖昧な表情になった時のことを思いだしてしまう。「なんか、スゴイらしいですね。自分ちょっと疎くて……」「いやいや、チャットジーピーティーとか凄いよ?カンタンな文章ならパパッと書いちゃうんだよ~AIが!」「そうなんですか」「いや~、あれはクリエティブな人たちにとっては、仕事を奪う存在だと思うよ。もしAIのほうが凄い名文を書いてきたらどうする?」「そうですね、家の前のスーパーで卸のバイトでも始めましょうかね……」まあでも何か嫌いになれないおじさんだったな。完全にハゲ散らかしてるけど頑張ってママにアピールしていて、憎めなかった。どんな男でも、わかりやすく女性を口説こうとしている様子を見るとちょっとは好感が上がる。まあ、若い頃は結構モテてたんだろうなという雰囲気出てたな。ハゲても太っても卑屈じゃないおじさんはいいですね。